医療事務はどんな仕事?業務内容ややりがいについて徹底解説!

医療事務は、病院やクリニックで事務職全般の仕事をおこなう職業です。転職や、再就職の際にも名が高く、若い女性や子育て中の女性に人気の高いです。医療事務の職業ですが、人気の秘訣はどこにあるのでしょうか。

 

今回は、医療事務の仕事内容や1日の流れ、仕事のやりがいや適性について幅広く紹介します。医療事務の仕事について興味がある方や、再就職や転職について検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

医療事務の仕事内容

f:id:aoitete:20210106122107j:plain

医療事務とは、医療を専門とする事務職になります。仕事内容は、事務全般から保険請求、患者さんの対応まで幅広いです。

 

主な仕事は日々の「受付・会計業務」、保険請求のための「レセプト業務」、医者や看護師と患者さんの仲立ちをおこなう「クラーク業務」の3つです。

 

まずは、医療事務の仕事内容について紹介します。

 

受付・会計業務

 

f:id:aoitete:20210106123356j:plain

受付•会計業務は、患者さんの保険証の確認や診療案内、診療後の会計などの仕事です。

 

初めての患者さんは、診察券を新しく発行します。また、カルテ作成のための問診書の記入などを患者さんにおこなってもらう必要があります。

 

会計業務では、患者さんのカルテや診療報酬点数表、医療保険をもとに負担金額を算出し、患者さんにお支払いをしてもらいます。

 

患者さんとのコミュニケーション能力は、欠かせないスキル。医療事務は、患者さんと最初と最後に接する大切な役割があります。

 

他の事務職と比べても、コミュニケーション能力を問われる職業で、気遣いや笑顔が必要な職業です。

 

レセプト業務

f:id:aoitete:20210106122100j:plain

レセプト業務は、患者さんが加入している「社会保険診療報酬支払基金」や「国民健康保険団体連合会」などの審査支払機関に毎月保険請求をおこなうための「レセプト」を作成する業務です。

 

医療費は、患者さんが一部を負担し、残りは患者さんがそれぞれ加入している審査支払機関が支払います。

 

審査支払機関に医療費を請求する際に、必要な書類が「レセプト」です。レセプトは、「診療報酬明細書」と言われ、患者さんの住まいや生年月日だけでなく医療保険の負担割合や症状名まで幅広く記載されています。

 

このレセプト作成は、医療事務の仕事において難易度が高く、専門的な知識が必要です。記載内容に誤りがあると、審査支払機関から再請求を求められたり、最悪の場合診療報酬が病院やクリニックに支払われなくなったりする場合もあります。

 

このレセプトは、月初めに前月分をまとめて請求します。月末から月初にかけては、レセプト作成により、仕事量が増え残業をおこなう場合も多いです。

 

医療事務は、レセプトを正確かつスピーディに作成するスキルが求められます。未経験の方は、資格取得や専門書を読むなどして、事前に理解を深めておくこともおすすめです。

 

クラーク業務

f:id:aoitete:20210106122000j:plain

クラーク業務は、「外来クラーク業務」と「病棟クラーク業務」の2つの業務をおこないます。

 

外来クラーク業務の仕事内容

  • 電話対応
  • 書類作成
  • 検査データの準備

 

外来クラーク業務は、患者さんと医者や看護師の仲立ちと事務業務をおこないます。

 

病棟クラーク業務の仕事内容

  • 食事の準備や伝票の整理
  • 入院や退院の手続き

 

総合病院などの入院施設のある医療機関で働く場合、病棟クラーク業務をおこなうことがあります。

 

同じ医療事務でも、勤務先の違いで仕事量や仕事内容は少しづつ異なります。医療事務として働く際は、事前に仕事内容の確認をおこないましょう。

 

医療事務の1日

 

f:id:aoitete:20210106123427j:plain



受付開始は、8:00から9:00の場合が多いです。始業時刻の15分から30分前に職場についておく必要があります。

 

朝一で情報交換やレジの準備、職場の清掃をおこないます。受付開始と同時に患者さんが押し寄せる場合が多く、午前中は特にスピーディな患者対応が大切です。

 

患者さんの受付後、受診科への案内やカルテの準備をして、会計後に送り出すというサイクルを繰り返します。

 

お昼休憩は、交代で休憩をおこない、午後の診察に備えます。午後の最後の患者さんの診療が遅くなったり、事務業務が終わっていなかったりする場合は残業をおこないます。

 

病院やクリニックによって残業時間はさまざま。最後にレジ締めと、清掃をおこなって終了です。

 

事務業務を時間内に終わらせるには、業務の合間にレセプト作成をおこなうことが重要です。こまめにレセプトを作成しておくと、残業時間を少しでも減らすことができます。

 

医療事務の平均年収

 

f:id:aoitete:20210106123916j:plain

転職エージェントdadaによると、医療事務の平均年収は284万円でした。日本の平均年収441万円と比べると、低い傾向にあります。月給で換算すると、23万円で、アルバイトやパートで働いた場合の平均時給は900円~1600円程です。

 

同じ医療事務でも「勤務先」や「勤務形態」によって年収に差があります。また、経験年数や持っているスキルでも大きな差が生まれます。

 

病床を多く抱えた総合病院は個人病院に比べて給料は高いです。勤務形態は、非正規やアルバイト、パートに比べて、正社員で勤めた場合の方が給料は高くなります。

 

医療事務は、未経験から始められる仕事。正社員以外の働き方で最初は働きつつ、資格を取り、スキルアップした後に改めて正社員を目指すと給料アップに効果的です。

 

※転職エージェントdada(平成30年9月~令和1年8月末にかけての調査結果)参考

※「国税庁の平成30年度民間給与実態統計調査結果」から日本の平均年収 参考

 

医療事務のメリット・やりがい

f:id:aoitete:20210106122134j:plain

会社員で働くような一般的な事務職に比べても給料はほとんど変わりがなく、日本の医療事務は仕事量も多いです。

 

医療事務として働くメリットややりがいはどこにあるのでしょうか。次は医療事務で働く、3つメリットややりがいについて紹介します。

 

1患者さんに感謝され人の役に立てる

医療事務は、患者さんとの関わりが多く、笑顔で接することで感謝されてやりがいを感じられます。

 

患者さんとの関わりあいで生まれる感謝は、医療事務として働く際に感じるやりがいとしても大きいです。

 

「お大事に」という挨拶に対し、患者さんが「ありがとう」と感謝を表してくれて、入院中の患者さんの体調の回復に喜びを感じることもできます。

 

医療事務として働き、医療現場で働くことにやりがいを感じ、さらにスキルアップを目指して難易度の高い医療関係の資格を取る方も多いです。

 

2自由な働き方が可能

医療事務は正社員の他に、アルバイトやパート、非正規など雇用形態が豊富にあります。

 

自分のライフスタイルに合った、無理のない働き方ができます。勤務時間も、「午前中のみ」、「週に3~4日」と自由な点も魅力的です。

 

そのため、子育て中の方や、家事に忙しい方に医療事務は適しています。

 

3医療知識を身につけられる

医療事務は患者さんの保険請求や、カルテ作成などをおこない、生活に役立つ医療知識を習得できます。

 

業務をこなしながら身につけることができ、未経験でも経験を積みながら学ぶことで、医療現場で必要なスキルの習得が可能です。保険制度についても習得できるため、自分自身の生活に役立つ知識が豊富になります。

 

医療事務に向いている人

f:id:aoitete:20210106122029j:plain

医療事務の仕事は専門的な資格や経験がない場合でも、目指すことができる仕事です。経験や資格がない場合は、どのような人が医療事務に向いているのでしょうか。

 

医療事務は事務処理の際と、接客の際に上手く対応できるスキルがあると有利になります。医療事務はこれから紹介する方に特に向いています。

 

明るく丁寧な心配りがおこなえる

医療事務は、患者さんの対応を日頃から積極的におこなう業務です。医療機関に来る患者さんの多くは、体に不調があったり、疲労を感じていたりしています。

 

患者さんに対して、丁寧な対応で気遣いを心がけることが大切です。販売業や接客業の経験がある場合は、接客スキルとして高く評価されます。

数字に強く物事を冷静に判断できる

日頃の業務に加えて毎月のレセプト作成では、数字を扱うため、冷静に素早く業務をこなす必要があります。

 

患者さんの対応や、事務作業の合間を縫って、レセプト作成やその他の業務をおこなうため、正確さやスピードが求められます。

 

レセプト作成は誤ってしまうと、診療報酬を受けることができなくなり、病院やクリニックの経営に影響するため、数字に強く冷静に処理するスキルが必要です。

 

医療事務になるには

f:id:aoitete:20210106122239j:plain

医療事務は、資格不要・未経験でも目指すことができます。

 

しかし、仕事量や専門知識が多いため、事前に医療事務について少しでも学んでおくことがおすすめです。未経験や無資格で、医療事務になる方法について紹介します。

 

無資格未経験OKの求人に応募する

医療事務の求人で、無資格や未経験を歓迎する場合もあります。無資格・未経験OKの求人に応募し、現場で学びながらスキルアップをおこなう方法もおすすめです。

 

経験者は求人の幅が広がり、給与も高くなります。未経験OKの職場で経験を積んだ後、経験者として転職すれば給与アップに効果的です。

 

持っていると役立つスキルや資格

医療事務は、患者さんの対応やPC業務がメインです。PCスキルは最低限のWordやExcelが出来れば問題ありません。

 

ただし、取得しておくと業務で活かせたり、転職に有利になる資格もあります。

 

医療療事務の資格は、民間資格で、独学での取得も可能です。資格はさまざまありますが、医療事務で働く際に役立つ資格は主に4つあります。

 

1つ目の「医療事務技能審査試験」は、メディカルクラークとも呼ばれます。医療機関の中でも有名な資格で、日本最大級の医療事務試験になります。接遇やレセプト作成の高度なスキルが求められるため、取得すると就職の際に有利になるでしょう。

 

2つ目の「医療事務管理士技能検定試験」は分野を問わず、医療関係で幅広く認定されている資格です。業務内容に特化し、治療費の計算、カルテ管理など医療事務の業務をレベルアップに効果的な資格になります。

 

3つ目の「診療報酬請求事務能力認定試験」は、医療関係の法律から医療事務の仕事全般まで幅広く扱う資格です。2年に1回おこなわれる「診療報酬点数」の改定に基づいた問題が出題されるため、最新の医療知識を理解しておく必要があります。

 

「医療事務認定実務者」の資格は、接遇やマナーの向上のための資格です。医療事務の実務を基本を学ぶことができます。

講座や参考書も販売されているので、自分に合った勉強法で学ぶことがおすすめです。

医療事務の今後

f:id:aoitete:20210106122145j:plain


医療業界は、今後需要が高まる業界です。これから、超高齢化社会が加速し、高齢者が増えていくため、医療事務は今後も安定した職業といえるでしょう。

 

また、医療機関と同じように今後需要が増える介護施設では、「介護酬請求業務」があり、介護施設でも医療事務が活躍する機会が増えていくと言われています。

 

これからの医療事務は、効率化のためにAIやITの導入が増えていくので、これらの知識に明るい人ほど重宝されるでしょう。

 

一方、人間にしかできない「心遣い」や「思いやり」も大切な業務の1つです。いくらIT技術が進んでも、患者さんの気持ちを想像して臨機応変に対応する行動が欠かせません。そのため、医療事務は今後も人手が必要になるといえるでしょう。

医療事務は自由な働き方を叶えられるやりがいのある仕事

f:id:aoitete:20210106123838j:plain

医療事務は、業務内容で覚えることが多く、医療現場で患者さんと関わり、時に命に関わる責任のある職業です。

 

患者さんとの繋がりや、医療従事者同士の繋がりを大切にし、喜びを分かち合うことができてやりがいやメリットもたくさんあります。

 

働き方が自由に選べて、転職の際にも人気の職業の1つですが、競争率が高いです。未経験から医療事務を目指す場合、少しでも専門知識を蓄えておくと、働きやすさを感じやすいでしょう。

 

ライフスタイルに合わせた働き方ができ、他の職業にはないやりがいを感じることができる魅力的な仕事です。新しい仕事に就く際は、医療事務についてもぜひ検討してみてくださいね。